サですか?ラですか?
ところで、前回書いた、「コリ(Koli)で行方不明になったスペイン人」の記事を読んで気づいたのですが。
「Koliで」は、「Kolilla」なのねー、「Kolissa」ではなく。
え~、何を言ってるかと申しますと…
フィンランド語は、名詞の格変化がある言語です。
簡単に言えば、日本語の「てにをは」の意味を、名詞のうしろに「格語尾」という要素をくっつけることで、あらわすのです。
「ある場所に(で)」の意味(「東京に住んでいます」とか「コリで行方不明になった」とか)をあらわす語尾は、大雑把にいって、次の二つのパターンがあります。
-SSA (なんとかッサ、となる)
-LLA (なんとかッラ、となる)
どちらを使うかは、地名によって決まっています。
ただし、「こういう場合はこちらの語尾になる」という規則は基本的にはありません。
憶えるしかないです。
まあ、-SSAを使うほうが一般的ではありますけどね。なので、Koliのように-LLAになってるのを見ると、あ~ここはこっちの語尾なのかぁ、へぇ~、と思うんですね。
-SSAをつける地名の例:ヘルシンキに(で)→ Helsingissäヘルシンギッサ
-LLAをつける地名の例:タンペレに(で)→Tampereella タンペレーッラ
(語尾をつけるときに、地名のしっぽのほうがビミョーに変化してますが…それに「母音調和」っつう規則もありますが…まあそれらはおいといて)
「タンペレ」は、フィンランドの中では重要な都市です。
そのため、フィンランド語を学ぶ外国人は、「場所をあらわす格語尾」のことを学習するときに必ず、「タンペレは-LLAである」ことを憶えさせられます。
外国の国名では、ロシアを意味するVenäjä(ヴェナヤ)がこの-LLAのパターンを使う決まりになっています。
しかしだ、フィンランドの聞いたこともない地名の変化が「-SSAか、-LLAか」なんて、外国人にわかるかーっ!
ある程度推測できる場合もあるけど、見当もつかないってことも多い。
わからなければ、-SSAのほうをつけておけば、とりあえずいいんですがね~。
コリは有名な場所ですけど、私は行ったことがないんで、-SSAか-LLAか、あんまり考えたことがありませんでした。
地名は、フィンランド語で実際に使った経験がないと、どっちの語尾をつけるのが正しいかわかんないですし、一度聞いても、日ごろあまり縁のない地名だと、忘れちゃいますしねぇ。
ったくも~、フィンランド語ってヤツは(笑)
フィンランド内国語研究所(Kotus)のサイトには、地名とその変化パターンのリスト(Kuntien nimet ja niiden taivutus)(-SSAか-LLAか)が出ています。
フィンランド人も、なじみのない地名の変化はこのリストを見てチェックしているはず。
また、同じサイトに「地名・人名の変化クイズ」(Nimitestit)なんてのもあります。
地名や人名の変化のさせ方には、今回書いた「-SSAか-LLAか」以外にも、いろいろややこしい要素があり、このクイズではそのへんの知識を試されます。
こんなクイズが存在してるんだから、フィンランド人でも、う~んどうだったっけ?ってことがいっぱいあるんですな。
そりゃ日本人だって、日本語の解説本を読んで「へぇ~」と思うことはいくらでもあるんだしね。
ことばはおもしろい、それは、学べば学ぶほど、知らないことにどんどんめぐりあえるからだと思います。
(2005.8.20 by mf)
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» フィンランド語トリビア [旅する物理屋]
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コメント
これ、先生にどうしてなのか以前聞いたら「地元の人達がそう呼んでるからそれに従ってるだけ」って言われました…。そんな理由って…。「地名とその変化パターンのリスト」すごく使えますね。さっそくブックマークしました!
投稿 maco | 2005年8月21日 (日) 01:48
はじめまして。
外国語は、勉強してもしても、というかすればするほど覚えることが山積みになりますよね。それがいつのまにか使えた時がウレシイんだけれど。
それにしても、フィン語を全く知らない私にはこの記事だけでも勉強になりました♪ 月の名前も、面白いんですね・・・。全部"-kuu"で終わる・・・これは格変化したものなのでしょうか。
投稿 あやめ | 2005年8月21日 (日) 12:13
>macoさん、
そーなんですよね。理由はなく、ただその語尾を使うと決まっているだけなんですよね…。Kotusのリストは便利ですよね。見ているといろいろ発見があって面白いです。
>あやめさん、
はじめまして、ようこそ!
外国語の勉強って、憶えても憶えても…ってとこが、苦労でもあり、楽しみでもありますよね。
フィンランド語の月の名前のしっぽについている「kuu」は、天体の「月」のことですが、 日本語の「月」と同じように、暦の月名の構成要素にもなっているんですね。
8月はelokuuですが、これで辞書形(格変化してない)です。
投稿 mf | 2005年8月21日 (日) 18:39
mf先生と呼びたくなる記事ですわ。
koliは~ラ。なのですね。
でもすぐに忘れそう・・・。
それにしてもスペインのご夫婦ご無事で何よりです。
フィンランドで遭難した場合
すぐに捜索してくれるんですね。
費用はいかほどなのか。
日本場合、かなりの金額だと聞いたことがあります。
投稿 木の葉パン | 2005年8月22日 (月) 01:26
おあつ~ございます!!
さてさて、これは、フィンランド語を学ぶ、使う・・・外国人にとっては、とても悩ましい問題。
律儀なフィンランド人のこと。大原則は必ずあすはず。もちろん、”例外”もたくさんあるけれど。
でも、まあ、間違って使っていたって意味は通じるはずですし、こんな表があるということは、フィンランド人も相当迷う問題なんだということで、安心、安心!!ですね。
投稿 みほこ | 2005年8月22日 (月) 08:30
>木の葉パンさん、
いやもう私ぜんぜん先生なんてもんじゃないですよ~ただのおたく(恥)スペイン人のご夫婦、いまの日本だったら自己責任とか言って攻撃されかねないかも?とにかく無事でよかったですよね。
>みほこ先生~
今年は残暑のほうが厳しいですねぇ、ふ~。フィンランド人は学校でこれについて習ったりするのかしら?
あのリストを見てると「どっちも使う」になってる地名があったりして、「へぇ~」の連続ですね~。
投稿 mf | 2005年8月22日 (月) 09:41
mfさま
こちらこそ、コメントありがとうございました。
プラハ、楽しみですね~。北欧のイメージって白、とかカラフル(福祉の発達した、スウェーデンでしたっけ?)なのですが、東欧は茶色、かな? 個人的には、”赤と緑”ってかんじです。
言語の響きもずいぶん違うのでは・・。ぜひ、感想をお聞かせください。
投稿 あやめ | 2005年8月24日 (水) 22:22