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2008年2月の3件の記事

水彩と詩と人生と旅

フィンランド人画家ヘリ・プッキ(Heli Pukki)の水彩画展が、
東京都渋谷区の「Craft Space わ」で開催中です。
3月8日(土)まで。
見るだけでなく、気に入れば作品を購入もできる、と思います。

営業時間、場所など詳細は「Craft Space わ」のサイトで。
(展示会開催中の営業日時はお店へ問い合わせるのが確実です)

ヘリ・プッキのイラストを使ったポストカードや、ポエムカードも。
プッキ作品のほかフィンランド直輸入の原書絵本もあります。

上記サイトにはいまのところ作品展のことが出ていませんが~、
ヘリ・プッキの作品(カード類)はサイト上で見ることが可能です。
上記サイトの中の、

「わ」のフィンランド・Craftのページ

ここの下のほうに Heli Pukki のコーナーへの入り口があります。

キツネとクマのコンビが描かれている作品が多いのだけど、
どの作品もストーリーがありそうで、
見てるといろいろ想像が広がるところが、
わたしは好きです。
水彩の透明感のある色もいいですね。

ポエムカードの詩も、ヘリ・プッキ本人が書いているそうです。
人生、旅、といったテーマのものが多く、
ふっと心にしみる感じがあります。

東京では春一番が吹きました。
フィンランドでもずんずん日が伸びて、春が近づいていることでしょう。
どんどん明るくなって汚れが目立ちはじめるので、
北欧の春は大掃除の季節でもありますね。
春がきたら、冬の汚れはすっきり流しましょう。
雪がとけて、新しい世界が目を覚まします。
旅立ちとか門出とかの季節ですよね。春。

ヘリ・プッキの この詩 が、いまの季節にはぴったりかも、
などと思いました。

物理的にであれ精神的にであれ、
旅立とうとするすべてのひとに、
よい風が吹きますように。

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Nyokki (2)

前回の記事に書いた穂村弘のエッセイ『にょっ記』の中に、
深夜、工場の煙突がけむりをもくもく吐いている風景、
というのが出てくる。「5月9日」のところ。

これを読んで、フィンランドを思い出した。
「工場」の煙突から、白いけむりが吐き出されている景色を、
冬にフィンランドに行くとよく目にする。
あれはお湯を作っているのですね。暖房用のお湯を。

冬場に何度か訪れたフィンランド南東部の町で、
いつも泊まるホテルの窓からは、
けむりを吐く煙突が1本立っているのが、よく見えた。
そのホテルは湖に面していて、窓からは右手の方向、
湖の向こう岸のあたりにその煙突はあった。
この町じゅうを暖めているお湯はあそこから供給されているのだな。
真っ暗な冬の空を背景に、
一筋のけむりはいつでも、静かに空へのぼっていた。

あるとき、時差ぼけで早朝に目を覚まし、
することもないのでぼんやりと暗い窓の外を眺めていた。
外の景色は雪に覆われている。
まだ朝の5時前。
お湯を作るけむり以外に、何も動くものは見えない。
と思ったとき、
他の方角からもけむりが立ちのぼっているのが目に入った。

あれっ?
あっちのほうにも、お湯を作る施設があるのかな?

その方角をよく見ると、白いけむりが何本も、空を目指している。
あんなにたくさん、お湯を作っているの?

ああ、違う。けむりじゃないんだ。
しばらく見ていて、そう気づいた。
右手に見える、いつものお湯工場のけむりの筋は、
雲みたいにやわらかい輪郭を持って、
わずかに風があるのだろう、
ほんのすこし斜めにたなびいている。
だけど、
他の方角に見える何本もの白いラインは、
きりっと直線で、
静かに直立している。
あれはけむりじゃない。
光の柱だ。

光の柱は、1本、また1本と次々に姿を現して、
不思議な一群となった。
地上にたくさんの人がいて、彼らがいっせいに、
空に向かってサーチライトの光を放っているのかしら。
そんな感じだった。

やがて光の柱はすこしずつ淡くなり、消えていった。
最後の1本が暗い空にすっかり溶けこむまでずっと見ていた。
湖沿いの道路に車のランプがぽつぽつと現れ始めた。

あとになって、日本人の友人にこの話をしたら、
それはオーロラの卵だったかもしれませんねといわれた。
オーロラが出現する前に、こういう光の柱が現れることがあるそうで、
友人は見たことがあったという。
その友人もやはり、
「誰かがサーチライトで照らしているのかと思った」
のだそうだ。

あのあと、空の高いところではオーロラが舞っていたのかもしれない。
わたしは見ることができなかったけれど。

真っ暗な空と、雪に覆われた大地の間に、
光の柱の群れが静かに直立していたあのながめを
思い出すたびに、
心の中が、しん、とする。
激しく乱舞するオーロラにも心は惹かれるけれど、
あの光景を見ることができてよかったと思う。

だいぶ前に書いた「お湯工場」の話はこちら

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Nyokki

休日のひととき、穂村弘のエッセイ『にょっ記』を読んでおおいに笑う。
日記形式のエッセイ(あくまで日記「形式」)。あーおもしろかった。
すみからすみまでおもしろい本なのですが、
フィンおたくとして、またムーミンファンとして特筆すべき文章があったので、
その文章に付されている日付とタイトルを並べておきましょう。
わたしのコメントと共に。

10月13日 女言葉
「約30センチ」というのは手元の電話帳に物差しを当ててみたのでしょうか。

2月24日 ヘムレンさん
この想像は当たっているだろうと思う。世界中のを、だもん。
ガンダムのも、毎年の干支のやつもあるだろう。
ムーミンのも、あるんだろうか。あるはずだよな。
だって、世界中のを、だもん。
予約して買ったのかなあ。

1月14日 適当寿司
オチの部分がフィンランド語に見えてしまう。
これ以上はいえません。ネタばれだもの。
そういやネタってもともと種だよね。すしだね、だね。

5月2日 「お~いお茶」の謎
この日付の文章でも、
とあるカタカナの文字列が、
どうもフィンランド語に見える。
だってそうでしょう。
ネン。
フィンランド人……?
そうだったのか、お~いお茶。

---

ところでこの本、タイトル『にょっ記』がローマ字でも書かれています。
背表紙と、函に。

Nyokki

って。
これ、フィンランド語に見える。
目に入った瞬間、えっ、フィンランドの本? と反射的に驚く。
だが、いいや違う、と心の奥で叫びが聞こえる。
何が違うのか?
よく見ればわかる。
Y と O が母音調和してないからだ。
惜しい。

この本についてはこちらを。
自著を語る(文藝春秋)

穂村弘氏はムーミンのファンなのかなあ。知りたい。

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