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2008年3月の2件の記事

大阪の国際児童文学館存続運動

大阪の国際児童文学館といえば、わたしにとってはムーミンです。

大阪府立国際児童文学館(公式サイトはこちら)には、
ムーミン研究の第一人者、故・高橋静男先生がいらっしゃったからです。

いま、この児童文学館の存続が、危ぶまれています。

ひこ・田中さんの児童文学書評に「大阪国際児童文学館存続のためのお願い。」として、経緯の説明、存続のための運動のことが書かれています。

児童文学書評トップページは こちら
★大阪国際児童文学館存続のためのお願いのページは こちら

ムーミンファンなら、
『ムーミン童話の百科事典』
(高橋静男「ムーミンゼミ」/編 渡部翠/編、講談社、1996年)
をご存じのかた、お持ちのかたも多いでしょう。
amazonだと表紙画像がない代わりにやや詳細な情報が見られます)

この事典は、国際児童文学館で、高橋静男先生を講師として開かれていた「ムーミン・ゼミ」から生まれました。

90年代のはじめごろ、東京でムーミンがらみのイベントがあり、
高橋先生もおいででした。(そういえば岸田今日子さんも出ていたなあ)
会場からの質問や感想を受け付けるコーナーで、
「東京でもムーミン・ゼミをなんとか開催していただけないでしょうか」
という声がありました。
同じ気持ちの人ばかりだったと思います。大阪がうらやましかった。
大阪国際児童文学館といえば、
わたしにとって憧れの場所でしたし、
いまでもいつか機会をつくって訪れたいと思っている場所です。

国際児童文学館は、公式サイトを見てもわかるように、
研究機関、資料収集機関としての機能を持っています。
2003年までは海外から研究者を招聘しており、フィンランドからも研究者が来日しています。
地域の図書館とはまた異なった役割を担っている施設です。
子ども向けの出版物全般にかかわる、
国内、国外の貴重な資料が体系的に収集保管され、
(日本が世界に誇る漫画も含まれています)
専門知識を持つ研究者を擁する施設だからこそ、
ムーミン・ゼミのようなすばらしい成果も生まれたのではないでしょうか。

少しでも興味を持たれたかたは、
どうかこの問題について考えてみてください。
存続運動の趣旨にご賛同いただけるかたは、
上にも記したひこ・田中さんの「児童文学書評」から、
ぜひ存続を訴える運動にご参加ください。

大阪府のサイト内、「知事への提言」はこちら

参考:
★講演録・ムーミン童話とはなにか?高橋静男 於・大阪府立国際児童文学館→こちら
(「児童文学書評」内)

mf@ムーミンを愛する者として、子どもの本の周辺にいる者として。

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ゾウとキツネ

アーサー・ビナード氏のエッセイ集『日本語ぽこりぽこり』を読んでいたら、「象の耳」というのが出てきた。
ビナード氏は米国出身・日本在住の詩人で、日本語で著作をものしているひとですね。

エッセイに書かれているのは、とある英語の詩のなかの

When the elephant's-ear in the park
Shrivelled in frost

というくだりを、日本語訳で

公園の象の耳が
霜でちぢまったとき

としている本があった、という話。

米国では、冬でも公園で象を放し飼いにしているのだろうか?
(夏ならいいのかという話もあるが)
いやいや。
ビナード氏によれば、英語で Elephant's-ear とは「大葉のベゴニア」のことなんだそうで。

霜の降りた公園で、象の耳がちぢこまっているのと、ベゴニアの葉っぱが萎びているのとでは、状況がだいぶ違いますねえ。

英語の「象の耳」で思い出したのは、フィンランド語の「キツネのパン」。
Ketunleipä("ケトゥンレイパ")は、直訳すれば「キツネのパン」なのだけど、
実は「象の耳」と同じように植物の名前で、
学名は Oxalis acetosella、
日本語では「コミヤマカタバミ」というのかな?

フィンランド語だけど写真がいくつか見られるページ→こちら

ハート型の葉っぱが、カタバミの仲間のしるし。花もかわいらしい。

この「キツネのパン」には、フィンランド語でもうひとつ別の呼び名もあって、それは「カッコウのキャベツ(käenkaali "カエンカーリ")」。
いずれにしても、森の生き物たちの食べ物に見立てられているところが、なんだか愛らしいなと思う。

ところが。
「キツネのパン」を、いつでも「コミヤマカタバミ」と変換すればすむかというと、そうはいかない。
フィンランド語の子ども向けの本を読んでいると、キツネのパン屋さんが、「キツネのパン」を焼いていたりする。
そのページの挿絵には、植物の「キツネのパン」を思わせる、ハート型をした緑色のパンが描かれていたりして。
ああ、もう、ほんとに、ことばってやつは。

『日本語ぽこりぽこり』、おすすめです。
アーサー・ビナード氏による「アーサーの日本語つれづれ草(web日本語)」は
こちら

(mf)
偶然ですが、「かがくのとも」の最新号(2008年4月号)が、「ハートのはっぱ かたばみ」でした→こちら

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