先日、アサヒコムのニュースでちょっとおもしろいのがありました。
場所は次のところです:
asahi.com > 国際 > ヨーロッパ
記事のタイトルは「大酒飲みはアイルランド人?欧州統計」。2007年03月19日の記事です。
内容は、EU内各国の「お酒の飲み方」について。
EUの世論調査機関である「ユーロバロメーター」が、EU加盟27カ国を対象にまとめた統計によるものだそうです。
1回に飲む酒の量(種類は特定しない)は?という質問に対し、「5杯以上」と答えた人の割合が多かった上位の国々は、
1位:アイルランド人(34%)
2位:フィンランド人(27%)
3位:英国人(24%)
4位:デンマーク人(23%)
われらがフィンランド、堂々の2位入賞。
逆に、「1回に飲む量」が少なかったのはブルガリア人で、「5杯以上」は1%、「1、2杯」が64%だそうな。
お酒とフィンランド人についてはこのブログでも何度か話題にしてきました。
フィンランドを語るとき、お酒を無視することはできません。
お酒がらみでは、まあいろいろとあることは事実です。
さて、このアサヒコムの記事は続きがあります。
上の結果は「1回に飲む量」でしたが、1回にどれくらい飲むかでなくて、「お酒をどれくらいの頻度で飲むか」という問いへの答えで見ると、結果がぜんぜん違う。
「毎日飲む人」の割合がトップだったのは、ポルトガルだそうです。
1位:ポルトガル人(47%)
2位:イタリア人(26%)
3位:スペイン人(25%)
南方のラテンなひとびとが並んでますね。
「1回に飲む量」ではトップに輝いたアイルランド人は、飲む頻度では「週1回」が最も多く41%。毎日って人はたったの2%だったそうです。
お酒、アルコールというものの「摂取のしかた」に、ヨーロッパの中でも大きな違いがあるんですね。
これはアサヒコムの記事でも言及されてますが。
わたしが以前、だれかに聞いたか、なにかで読んだ話ですが……
(ソースが明示できずすみません)
ヨーロッパでも、南のほうは、アルコール(主にワイン)は食事のときの飲み物である。それゆえ、アルコールを飲む「頻度」は高い。
一方、北のほうでは、食事のときにアルコールを飲む習慣はない。だから毎日飲むということはない。
たしかにフィンランドの家庭だと、食卓に並ぶ飲み物としては、水、牛乳、ジュース、などが普通だと思います。
また、南欧を旅行した人の話を読んだり聞いたりすると(これまたソースが特定できずすみませんが)、ごはんを食べるときに出される飲み物がいつもワインしかなくて困った、というエピソードがあったりします。
1回に飲む量が多いのと、
飲む頻度が高いのと、
どっちが「大酒飲み」かは、まあ、考え方によるでしょうね。
わたしが個人的にフィンランド人たちとつきあってきて感じるのは、彼らのお酒の飲み方というのが、
「酒を飲むときは、酒を飲むという目的を持って、酒を飲むのである」
という感じだということです。
これに関連して、ひとつ「ジョーク」をご紹介します。
次の本に収められているものです。
『エスニックジョーク 自己を嗤い、他者を笑う』
クリスティ・デイビス、阿部剛 著
講談社選書メチエ 2003年
この、「第三章 抜け目のない人・酒に憑かれた人」(すごいタイトルだのぉ~)に、こんなジョークがあります。
(以下、引用)
フィンランド人とスウェーデン人が、「一晩一緒に飲み明かそう」とウオッカとブランディを飲んでいた。4時間が経ったころ、スウェーデン人がグラスを高く掲げ、酒を飲みはじめて以来、はじめて口を開いた。「スカール(Skaal:乾杯)」。すると、フィンランド人はナイフを取り出し、スウェーデン人の鼻の下に振りかざした。
「なあ、俺たちゃ、しゃべるためにここへ来たのかね、それとも飲みに来たのかね?」
(引用終わり)
(実際にはまず英文があり、日本語はその訳として掲載されています)
さらにおかしいのは、この本の著者がフィンランド人にこのジョークを見せたところ、そのフィンランド人(女性)は
(以下、引用)
「本当です。彼らは、酔っ払うためにひたすら飲むのです」
(引用終わり)
と言ったのだそうな(笑)
ここでは、スウェーデン人が、フィンランド人を、「しょーがねー大酒飲みだぜ」と笑う図式なわけですが、
この本ではこのあと、そのスウェーデン人が、デンマーク人に笑われるジョークも紹介されています。
(以下、引用)
スウェーデン人の飲兵衛と蚊の違いは?
蚊がうるさくてはた迷惑なのは夏のあいだだけ(スウェーデン人の飲兵衛は一年中)。
(引用終わり)
そんで、この本では、同じ「スカンジナビア」(ここにフィンランド入るのかね?)でも「飲み方」に違いがあるとみなされている、という話が書いてあります。
つまり、
デンマークのは、「コンチネンタル(大陸)型飲酒パターン」。飲酒の機会・消費量ともに多いが、酔うために飲むことは控える。
スウェーデンやノルウェーのは、「ノルディック(スカンジナビア)型飲酒パターン」。飲酒の機会も消費量も比較的に少ないが、酔って自制心を失うまで飲む。
……と、認識されてるってことだと。ジョークはこの認識に基づいて成立するわけですね~。
「飲み方」の違い、これは冒頭に書いたアサヒコムの記事でも取り上げられていたのでした。
国や地域によっていろいろな「違い」がありますよね。
とくにお酒の飲み方となると、ある程度親しくつきあってみないとわからない部分もあると思います。
現地の人たちと飲酒の機会があっても、飲めないとき、飲みたくないときは、正直にはっきり断るべきですよね。でないと大変な目に遭いかねません。
はっきり意思表示をすれば、飲めない人に飲めと強要することがあまりないのは、フィンランドのいいところだと思います。(もっとも、相手が酩酊しちゃったあとではどーなるかわかったもんじゃありません。最初が肝心)
フィンランド人も日本人も、どこの国の人も、お酒は楽しく飲みましょう♪
↑このセリフ、お酒の話題のとき毎回書いてるなあ(笑)
(2007.3.21 by mf)
えーと、上にあげたジョークは上記の書籍からの引用であり、「(エスニック)ジョーク」という文脈であることにご注意くださいね。
あと、スウェーデン語の乾杯はスカールより「スコール」のほうが元の発音に近いんじゃないかと思います。
当ブログの過去の「お酒ネタ」は こちら など。