カテゴリー「書籍・雑誌」の記事

Nyokki

休日のひととき、穂村弘のエッセイ『にょっ記』を読んでおおいに笑う。
日記形式のエッセイ(あくまで日記「形式」)。あーおもしろかった。
すみからすみまでおもしろい本なのですが、
フィンおたくとして、またムーミンファンとして特筆すべき文章があったので、
その文章に付されている日付とタイトルを並べておきましょう。
わたしのコメントと共に。

10月13日 女言葉
「約30センチ」というのは手元の電話帳に物差しを当ててみたのでしょうか。

2月24日 ヘムレンさん
この想像は当たっているだろうと思う。世界中のを、だもん。
ガンダムのも、毎年の干支のやつもあるだろう。
ムーミンのも、あるんだろうか。あるはずだよな。
だって、世界中のを、だもん。
予約して買ったのかなあ。

1月14日 適当寿司
オチの部分がフィンランド語に見えてしまう。
これ以上はいえません。ネタばれだもの。
そういやネタってもともと種だよね。すしだね、だね。

5月2日 「お~いお茶」の謎
この日付の文章でも、
とあるカタカナの文字列が、
どうもフィンランド語に見える。
だってそうでしょう。
ネン。
フィンランド人……?
そうだったのか、お~いお茶。

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ところでこの本、タイトル『にょっ記』がローマ字でも書かれています。
背表紙と、函に。

Nyokki

って。
これ、フィンランド語に見える。
目に入った瞬間、えっ、フィンランドの本? と反射的に驚く。
だが、いいや違う、と心の奥で叫びが聞こえる。
何が違うのか?
よく見ればわかる。
Y と O が母音調和してないからだ。
惜しい。

この本についてはこちらを。
自著を語る(文藝春秋)

穂村弘氏はムーミンのファンなのかなあ。知りたい。

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破れた本の売られ方

いたんだり破れたりしている本が、特価で書店の店頭に並んでいたら、買いますか?

前回書いたSauna, Sisu & Sibelius の本。
大手書店 Akateeminen Kirjakauppa のヘルシンキの店舗(本店?)に並んでいたこの本は、背表紙のかどがかなりいたんで、セロハンテープで補修してある(!)というしろものです。
値札ラベルの「155(フィンランドマルカ)」が、手書きで「75」に直されています。

(フィンランドマルカはユーロ移行以前のフィンランドの通貨単位、たぶん当時のレートで1マルカ20円くらい)

たしかね、このときは、美品で155マルカのものと、このいたんでるけど安いものと、2冊が店頭にあったのです。
いたんでるから安くしとくよ、これでいい人は買ってねってことなんですね。
ええまあ、それで安い方を買ったわけですけど。だって半額だもん~。

あ、フィンランドでは、書籍の価格は店によって異なります。
書籍は全国どこでも同じ価格という日本のシステムのほうが、世界的には珍しいような気がしますが、よく知らないです。

もっとびっくりしたのは、昨年だったか、やはりヘルシンキのAkateeminen Kirjakauppaにて。
買おうと思っていた本があって、店に行ったら1冊だけ置いてあったのですが、カバーの紙がちょっと破れていたんですね。
店員さんに、きれいなのはないかと尋ねて在庫を見てもらったのですが、それが最後の一点。

そしたら店員さん(親切な中年の女性でしたが)、

「値引きするわ」

と言ったかと思うと、ボールペンで、本の表紙に貼ってある値札ラベルの数字を消し、横に安くした値段を書いてしまったんです。

えええ~!?

あのーっ、店員さんひとりの判断で、値引きするなんて決めちゃっていいの?
しかも、いくらにするかまで…
そもそも、破れた本を売るってこと自体、日本人には驚きなんですがーっっっ…
古本屋じゃなくて、この国でいちばん大手の書店なのに?!?!

でも結局、その本はほしかったので、買いましたが。値引き後のお値段で(笑)

定価で美品しか売られていないのが当然の日本と、
品質も価格もいろいろのフィンランドと、
どっちがいいのか、私にはわからないです。
どっちもそれぞれ、いい面よくない面があるんでしょうね~。

フィンランドでは、書籍はとても高い。いや、書籍も、とても高いです。
なので、値引きがあるのは、やっぱりうれしくはありますです。
(2005.9.25 by mf)

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どんなほんをよみますか

今日は、私の好きな本のはなし、です。
すてきなブログでいつも楽しませていただいているmacoさんから、ブック ・ バトンというのをちょうだいしましたので書いてみますね。
macoさん、どうもありがとうございました。

持っている本の冊数
えーといまPCの前にいるこの部屋の中だけでも100冊はあるんじゃ?
この世にある、私の所有する本の総数であれば、さあ…数百冊?どうでしょうか。いいかげん整理しないと。

いま、読みかけの/読もうと思っている本
『マレクとマリア』こんな本
バルトラウト・レーヴィン作 松沢あさか訳 さ・え・ら書房 2005
★評判を聞いて図書館から借りてきたところ。中学生(以上)向けという位置づけなので難しい漢字にはルビがふってあります。第二次大戦末期のドレスデン、ドイツ人の少女とポーランド人青年の許されない恋・・・苦しい話ですが。

『ポルトガルへ行きたい』こんな本
菅原千代志、日埜博司ほか著 新潮社1995
★この本は先日、友人がくれたのです。美しい写真がいっぱいで楽しい。ポルトガルは憧れの国です。行きたいなぁ、歴史ある町並みを歩きに、ファドを聴きに、おいしいものを食べに。

ほかに、フィンランド語で書かれた本2冊ばかし。

最後に買った本
読んだ、じゃなくて買った、となると、雑誌類をのぞけば、

『言語学フォーエバー』千野栄一著 大修館書店 2002(こんな本
『ロシア語のしくみ』黒田龍之助著 白水社2005(こんな本

かな?「ことばモノ」ばっかですな(しかもなぜかどちらも著者がスラヴ方面)。たまたまなんですけどね。

★千野先生の本のほうは、先生が他界された直後に出されたもの。
過去に出版された千野先生の言語学エッセイ本のなかからから選り抜きの章を集めた、というスタイルであるため、既に読んだことのあるものも多く入っていたのですが、このタイトルを見たら、「手元に置きたい」という衝動にかられてしまい、購入。フォーエバー、なんですもの。「アンネマリー・ソジカ」なる名前の持ち主の出自を推理する話なんか好きですね。

★『ロシア語のしくみ』はとてもよくできていて面白かったので、「しくみシリーズ」のほかの言語のものも読もうと思っています。
さすが語学の白水社。通読できる語学入門書とは画期的です。
黒田先生の本は好きでほとんど読んでます。この人の著書の中にはよくフィンランドのことが出てきます。

特別な思い入れのある本、心に残っている本
「ムーミンの本」
★トーベ・ヤンソン全集として昭和40年代に出版されていた、講談社のグレーの箱入りのものです。これじゃなきゃだめなのっ(笑)いまでも大切に持っています。
muumit
シリーズ中、いちばん好きなのは『ムーミンパパ海へいく』(小野寺百合子訳)。これは子どものころから変わっていません。あの静けさが、心から好き。

『指輪物語』こんな本
J.R.R.トールキン作 瀬田貞二、田中明子訳 評論社
★あらゆるファンタジーの原点。最初に読んだのは学生のころですが(=大昔で~す)、読み終えてしまうのがつらかったなぁ。作者のトールキン教授が、「この物語の欠点、それは短すぎることだ」という意味のことを書いていたと思いますがそのとおりです。
語学おたくとしては異世界の言語にも興味あり。やはりエルフ語を習得せねば。
エルフ語を作るにあたり、トールキン教授が参考にした言語のひとつにフィンランド語があるのは有名な話ですよね。

『遠い朝の本たち』こんな本
須賀敦子 筑摩書房 1998
★これはたまたま、須賀氏の著作で最初に読んだものだったので(だけど、遺著なんですよね)。須賀氏の書いたものはどれも、素晴らしいとしか言いようがありません。既に故人なのはまったく惜しまれます。
この人の著作を読んでイタリアやイタリア語に興味を持った読者は多いはず。私もそのひとりです。
そしてなんといってもこの人の書く日本語の美しさに、感服。

『もりのへなそうる』こんな本
わたなべしげお・さく やまわきゆりこ・え 福音館書店 1971
★子どものころから好きでしたが、特に思い入れのある本になったのは、姪っ子たちに読んでやったことによります。何十回もせがまれては読みました。彼女らが大人になったとき、私に読んでもらったことを思い出してくれるかもしれないし、次の世代に読んでやるかもしれない。
子どものためのものは、本に限らず、そうやって世代を超えて受け継がれていくことを考えてつくられるべきだと、私は思っています。
まあ、ややこしいこと言わなくたって、『ぐりとぐら』『いやいやえん』でおなじみの挿し絵がかわいい、とっても楽しいお話です。謎の動物「へなそうる」のとぼけ具合がナイスです。

「山川の世界史」山川出版社
★「本」というのとはすこし違うかもしれませんが…高校の世界史の教科書が山川出版社のものでした。各種副教材も山川のを持ってました。高校時代の歴史の先生が、とても素晴らしい方で、私が大学で史学を専攻したのもその先生の影響です。授業中にドイツ語やラテン語の歌を教えてくださったりもしました。
高校世界史の教材って、社会人が歴史を勉強しなおすのにももってこいで面白いんですよ~。いやべつに山川以外のでもぜんぜんかまわないんですが。
地図好きの方や時刻表好きの方がいらっしゃいますが、私は年表や系図にドキドキするタイプです。

***
思い入れのある本、っていうのは、ある特定分野でおすすめの本、というのよりはるかに難しい質問ですね~。

えーと、諸般の事情により私のところから次には回しません。自主的に「ばとん」を拾ってくださる方がおいでになるのをのんきにお待ちしています。

(2005.7.17 by mf)

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ムーミンママの逆襲

話題沸騰中(笑)のフィンランド料理ですが、この本のことを忘れていた。
『ムーミンママのお料理の本』
サミ・マリラ 著/トーベ・ヤンソン 絵と引用文
渡部 翠 訳
講談社 1996 (ISBN: 4062078538)

一時、品切れになってたと思うのですが、いつの間にか復活してたんですね。よかったよかった。
(これもムーミン60周年がらみなのか?)

シラクやベルルスコーニの発言で「フィンランド料理がどんなのか」興味を持った人は、まずはこの本を見て、実際につくってみてはいかがでしょうか。
ムーミンママからのご提案です。

(2005.7.14 by mf)
P.S.:フィンランドの食事をめぐる「話題」については2005.7.8の記事「フィンランドの食事は(その1)」および「同(その2)」をどうぞ。

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あたらしい「カレワラ」

カレワラといえばフィンランド民族叙事詩、フィンランドのことは知らなくても、カレワラという名前なら知ってる、聞いたことがある、って人も多いかもしれませんね~。
今月、こんな本が出ていました。まだ実物見てないんですけどね。

『カレワラ物語―フィンランドの国民叙事詩』
キルスティ・マキネン・編、荒牧 和子・訳
春風社
ISBN::4861100348

このブログでは「こどもの本」のリストにこの本を入れちゃってますけど、それは、原書が「フィンランドの子どもたちのカレワラ(SUOMEN LASTEN KALEVALA)」というタイトルだからで~す。
その原書ですが、濃いブルーの背景に、翼を広げた鳥が大きく描かれている表紙の本、といえば、あ~あれかぁ、と思うフィンランド通の方もいらっしゃるかも。ただ、上記の春風社のサイトによれば、邦訳書の挿し絵は日本人アーティストでAKIKOという方が描いていて、原書とは違うみたいですね。原書の書誌情報は姉妹サイトのここに載せてみましたので、興味のある方はどうぞ。

近いうちに、大きな書店でチェックしてこようっと。
カレワラについてはフィンランド政府観光局のサイトに簡潔な紹介があります。

(Kalevalaは、フィンランド語の発音に近い表記にすると"カレワラ"より"カレヴァラ"ですが、日本では「カレワラ」で定着してるかなぁ。私も20年以上、「カレワラ」と言い続けてきたしな~・・・私はフィンランド語を話してるときはカレヴァラと言ってるけど日本語ではカレワラと言ってるなあ、ってそりゃあたりまえかな。個人的にはこれに関してはあんまりポリシーなくて、べつにどっちでもいいと思ってます~)

(2005.5.9 by mf)
(2005.5.18追記:この本、注文しておいたのが本日手元に届きました~これから楽しんで読みます。日本語版の挿し絵もしゃれた感じですてきです)

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ダーリンがなおってた

大ヒット中の本『ダーリンの頭ン中』にある、フィンランド(語)に関わるちょっとおかしな記述について前に書いたけど、本屋でチェックしたら訂正されてた!気づいたのは4月の末のことですが、詳細を書いておきます。

このブログの2005年3月30日付記事で指摘したのは、

1) フィンランド語の語順は「日本語と同じような感じ(動詞を最後に言う)」とあるが、そうではない
2) 地図における「フィンランド」の場所が違う

という二点でした。私が買って読んだのは発売直後だったので第1刷だけど、書店の店頭で第4刷を見てみたら、それぞれ次のように訂正されていました。

1)語順についての記述は巻末の対談の中にあります。言語学者・町田健氏と、トニーさんとの対談をまとめたもの。ここで、「世の中、日本語と同じような語順の言語のほうが多いはずで、5割くらいはある」という内容の町田氏の発言を受けて、次のように会話が展開します。

第1刷の内容は:
トニー:5割も!?ええっと、トルコ語でしょ、モンゴル語・・・。
町田:満州語もそう。でもフィンランド語は違いますよね?
トニー:フィンランド語もそんな感じでしょう。あとハンガリー語、エストニア語・・・。

これが第4刷では:
トニー:5割も!?ええっと、トルコ語でしょ、モンゴル語・・・。
町田:満州語もそう。でもフィンランド語は違いますよね。あとはファルシー語、ラテン語、ベンガル語かな?
(このあとトニーさんの発言はなし)

2)地図(77ページ)で、「スオミ(フィンランドのこと)」を示す線が、以前はノルウェーとスウェーデンの間のあたりを指していたのが、ちゃんとフィンランドのほうに向きを変えられています。

私、この本を買った次の日に、本にはさまってた読者アンケートはがきに同じことを指摘する文章を書いて出したんですけどね。もちろん、本全体はなかなかおもしろい、という感想も書いて。
きっと、私だけじゃなく、あちこちから「おかしいですよ」って指摘があったんじゃないですかね?まさか、私ひとりのはがきとブログ記事で、本の内容が訂正されたなんて、考えられませんから~。

これだけ売れている本だということもあり、正しくない内容がそのままにされずにきちんと手を入れられていくのは、たいへん好ましいことだと思います。
この本、かなりいろいろな言語に言及しているので、私じゃ気づかないけど、ある特定の言語に堪能な方や、音声学、言語学の専門家なら疑問を抱く箇所もあるかもしれないし、それらも指摘を受けて訂正されつつあるのかもしれませんね~。なんにしても、出版業界の対応って意外と(失礼)迅速なんですねぇ、と感心したことでした。

さて、この本に関して、ずーっとひっかかっていることがあるのでこの際書いてしまいます。69ページのウェールズ語、英語のI am happy.に相当するという構文の箇所で、VSOとなっているのは、なぜですかね。語順のことじゃなくて、私ウェールズ語わかりませんけど、本当にこの文がI am happy.に相当するのなら、どこに「O」があるのか、わからないのですが…。

(えとあの、この本自体は楽しいし、「ことばを学ぶ」という世界へのとびらを開くものとしては、いいんじゃないかと思います。小栗左多里さんのまんがのセンスも、私はとっても好きですよ。ただ、多少なりともアカデミックな方面に足を踏み入れている以上、正しい記述を心がけてほしいと思うだけです。あら探しして喜んでるわけじゃありませんのでね…)
(2005.5.9 by mf)

2005.6.22追記:『ダーリンの頭ン中』第8刷をチェックしたところ、ウェールズ語の構文の箇所でhappyにあたる語の下に書かれていた「O」の文字は削除されていました。

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フィンランド語は猫のしっぽ

@のことをフィンランド語では「ミャウ(猫の鳴き声)マーク」という、とは、前にも書いた『ダーリンの頭ン中』に出てくる話。「ミャウマーク」は「英語(を元にしたカタカナ)でいえば」ということだから、フィンランド語ではホントはなんて言ってるのか?気になりますよね。なるんです。私フィンおたくですから。

『ダーリン…』で言っているのは、記号の呼び方も世界共通ではなく言語によっていろいろあるんだよー、ということです。「@」の場合、生き物にたとえてみたり(フィンランド語がこの例)、食べ物になぞらえてみたり(たとえばスウェーデン語で「シナモンロール」だそうだ)と言葉によって実にいろんな命名がされていることが紹介されていて、こういうのを知るのって楽しいですよね。この本にも、「各言語とも呼び名はひとつじゃない」と書いてあり、どこの国や地域でもほかにもっといろいろな呼び方があったりするでしょう。

で、「ミャウマーク」ですが、私はこれ、知らなかったです。
「猫のしっぽ」(kissanhäntäキッサンハンタ)というのが、私が知っていたフィンランド語での「@」の呼び名。
さっそくネットで調べてみたところ、ミャウマークの「ミャウ」の部分はフィンランド語ではmiukumauku(ミウクマウク)とか、 miumau(ミウマウ)などのようです(ヴァリエーションがいくつかある)。
Miukumauku/miumau のあとに、マークの意味のmerkki(メルッキ)をつけても、つけなくても通じるようですね。「猫のしっぽ」という呼び名が先にあって、そこから鳴き声を使った言い方が派生したんじゃないかな?と私は推測していますが、どうなんでしょうか。

ただ、現地情報によれば、アドレスとして読み下す場合は「アット」と言うことが多いのではないかということでした。「猫」に関連する呼び名は愛称であって、フィンランド語での正式名称はät-merkki(アット・メルッキ、すなわち「アットマーク」)というんだろう、と理解していますが。

@を各国語でなんていうか?は、ここに英語でいろいろくわしく出ています。語学おたくなら狂喜乱舞のページです。
フィンランド語の読める人はフィンランド内国語研究所のサイトをどうぞ。
フィンランド語でもほかのことばでも、こんな呼び名もあるよというのを知ってる方がいたら教えてください。

ところで、この記事のタイトル「フィンランド語は猫のしっぽ」は、(フィンランド関係者ならおわかりでしょうけど)稲垣美晴さんのエッセイ『フィンランド語は猫の言葉』のパロディです。フィンランド留学記としてものすごく内容の濃いこの本、文庫に入ってたのに、いつのまにか絶版になっちゃったようですね。フィンランド紹介本としてとてもよい作品なので、入手できないのは残念ですねぇ。復刊ドットコムの「復刊特集フィンランド」にリクエストが出てますから、読みたい人はぜひ投票を。

それにしても@まで「猫系」とは、フィンランド語はやっぱり、猫の言葉なのか…猫は「kissa」、キッサです。日本人なら「喫茶」と変換してしまいそうですが。

(2005.4.16 by mf)

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フィンランド語でアンデルセン

今日はアンデルセンの200回目のお誕生日。このことはあちこちで話題になっているでしょう。フィンランドでもアンデルセン童話は(当然ながら)とてもよく読まれていて、絵本なんかもいっぱい出ています。なかでも、カーリナ・カイラ(Kaarina Kaila)という女性の画家が、アンデルセンのお話にたくさん挿し絵をつけています。
日本でもいちど、カイラの絵による『おやゆびひめ』が出版されたことがあるのだけど(福井信子訳 福武書店 1991年 ISBN:4-8288-4973-4)、いまは絶版みたいですね。子どものころこの絵本を読んだことを憶えていて、どうしてもあの絵の「おやゆびひめ」の本を、もう一度手にとってみたい…と探している方も、ときどきいるようなのですが。
おやゆびひめは、フィンランド語で言うと「Peukalo-Liisa(ペウカロリーサ)」です。ペウカロが、おやゆび。
ロマンチックな雰囲気で、私もカイラの絵はなかなか好きです。画家カーリナ・カイラの紹介を姉妹サイトに掲載しているので興味のある方はどうぞご覧ください。

コペンハーゲンは夏も冬も美しい街でした。北欧の中でも、デンマークに行くと大陸とつながっていることを肌で感じます。
(アンデルセン生誕200年アジア事務局のサイトがここに)

アンデルセン…といえば、もちろん本で読んだ童話の数々も私は大好きだったけど、テレビでやってた「アンデルセン物語」も、すっごく好きでしたねぇ~。日曜日の夜のカルピス劇場、「ムーミン」と同じ枠でした。ムーミン→アンデルセン物語→もう一度ムーミン、という流れだったはず…若者の皆さん、このムーミンは、ムーミンの彼女がフローレンでなく、「ノンノン」のやつですよ。っていっても、知らないか…。

(2005.4.2 by mf)

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おたくの頭ン中

なにしろ私はフィンランドおたく、略してフィンおたくなので、何を読んでも「フィンランド」という文字だけが浮き上がって見えます。(もっとも、「フインランド」だと思ったら「コインランド・・・リー」だったこともある)

さて、おたくの私が最近買ってみた本は『ダーリンの頭ン中』(メディアファクトリー ISBN:4-8401-1226-6)。フィンおたくと語学おたくをかけもちしている私としては、「トニーに負けない語学おたくの人もぜひご一読を」っていうキャッチコピーに、そそられてしまいましたねぇ。外国人を夫に持つ漫画家・小栗左多里さんが、国際結婚カップルの日常を描いた『ダーリンは外国人』シリーズの姉妹本。体裁は漫画で、「楽しくてためになる」って路線でしょうか。
いや、まだちゃんと読んでいないけど、パラパラやってるだけでも、本書に登場する小栗さんの「ダーリン」こと「トニー」の語学おたくぶりに共感しきりです。語源の話に目をキラキラさせてるトニーさんの様子には、私自身や、私の友人の誰彼の姿がダブって見える。これまで、「語学おたく」といってもなんのことかさっぱり理解してもらえず、日陰の存在であった我々だけど、いやー、これからは「語学おたくってこういう人のこと」と言いながら、この本を差し出せばいいというわけですね。ありがたい。

ただですね、この本で浮き上がって見えた「フィンランド」の文字のある箇所は、フィンおたくとしては一言いわせてもらいたい内容です。世界の言語を語順(いわゆる、SOV、SVOなど)で分類すると、日本語と同じような語順のものがけっこうたくさんある、ということが紹介されているのだけど、そこに、「フィンランド語もそんな感じ(日本語と同じような語順)でしょう」と書いてあります。

ん~。「そんな感じ」ではないですね。違います。

フィンランド語の語順は、「日本語と同じ(動詞を最後に言う)」では、ないんですね。この本に出てくる例文「私はこれをあなたにあげません」をフィンランド語で言うと、「Minä en anna sinulle tätä.」 で、「私は/あげません/あなたに/これを」という並び方。
動詞が文の最後に固定されているということはありません。
ウェールズ語だと動詞が文頭に来るという(面白いですね)例文が掲載されている「私は幸せです」なら「Minä olen onnellinen.」=「私は/です/幸せ」になるし、「それはフィンランドです」なら「Se on Suomi.」=「それは/です/フィンランド」という並び方です。
ただしフィンランド語の語順は、英語などにくらべれば、ものすごーく自由ですけどね。

ついでに、この本の77ページの地図。この章では、フィンランド(語)ではフィンランドのことをSuomi(スオミ)という、ということが紹介されていて、フィンおたくとしてはまことに喜ばしいのだけど、地図上で「スオミ」とされているのはフィンランドじゃなくて、スウェーデンとノルウェーの間のあたりですね。んな、こんなのただのイラストじゃん!目くじらたてなさんな、どうせ近所の国でしょう、と言う人もいるでしょうけど、そんな人でも朝鮮半島をさして「中国」と書いてあったら「こりゃ違うよ!」って思うのでは?

のっけからばりばりのフィンおたくですみません。でも、世界にはほんとうにいろんな国や地域、いろんなことばがあって、たぶんそのどれにも、おたくな誰かがいるんじゃないでしょうか。
(2005.3.30 by mf)

(2005年4月30日追記:上記の記事は『ダーリンの頭ン中』第1刷を購入した時点で書いたものです。第4刷をチェックしたところ記事中で指摘したふたつの点は訂正されていました→くわしくはこちら。フィンおたくとしてはうれしいことです)

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