カテゴリー「フィンランドの人と文化」の記事

コッコ燃える

長野県は小海町にFinland Village というのがあります。
日本語では「フィンランド・ヴィリッジ」って表記なんですよね。「ヴィレッジ」ではなく。
ここがどーゆー施設かはサイトの説明を見ていただくとして。

この施設ではここ数年、「フィンランドスタイル」の夏至祭が行われています。
今年は先週末に開催されて、そのときの写真が早くもサイトに出てます。
なかなか立派なコッコ(夏至祭のかがり火)ですね~。

小海町のサイトでも、町の観光ガイド>イベントガイドのところにちゃんと「フィンランド夏至祭」って書いてあります。
小海のみなさんにとって、フィンランドってすごーく身近な国?

ここには、90年代に2~3回、それなりの人数で宿泊したことがあります。
(わたし自身の職場とこことは無関係です、念のため)
ばっちり本場フィンランド製のサウナや暖炉があってくつろげました。
周り(徒歩圏内)には何もないけどね。そこがまたフィンランドらしいといえるか~♪

今年も夏至を過ぎました。
これから(少なくとも日本では)いよいよ夏本番です。が、夏至を過ぎると、
フィンランド人(や、フィンランド在住の日本人の友人)が、こんなことを言います。

「これからはまた日が短くなっていってしまうんだなあ……」

日が短く!
6月にそんなことを考えている人は、日本にはいないのではないでしょうか。
光の量で季節の移ろいを感じる、高緯度地方ならではの感覚だなあと思います。

今年の夏至祭(ユハンヌス)は、フィンランドではとてもよいお天気だったと聞きました。
このあと7月いっぱい、8月の頭くらいまでが、フィンランドの最高の季節です。
(日は短くなっていくけどね)
少雨で水不足が心配されてもいるようです。去年の夏もそうでした。
それでも夏の間は、フィンランドの空に1秒でも長く太陽が輝いていますようにと、
住んでないわたしでさえ願ってしまいます。
夏に雨やくもりの日が続くと、フィンランドのひとびとの表情もくもってしまうのを、
よくしっていますから。

恵みの雨がたっぷり降って、
それからたっぷり日が差しますように。

(2007.6.26 by mf)
「コッコ燃える」って夏の季語にならないかなあ?

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ミルクの分

フィンランド某所でマクドナルドに入り、コーヒーを頼んだら、

「ミルクの分、余裕を残しておきますか?」

と、きかれました。

ミルクは入れるつもりだったし、まあなんとなく、

「はい」

と答えました。

そしたら出てきたコーヒーは、カップになみなみではなくて、
たしかにちょびっと、少なめに入っていた。ような気がする。
ちょびっとですけどね。

ん? もしかしてなんか損した?(笑

フィンランドのファーストフードでコーヒーを頼むことって、滅多にないからわからないんだけど。
これって普通?
そういうもんでしたっけ?

ミルクとか砂糖とかはカウンターに置いてあって、客が勝手にとって使う法式です。
ってべつに日本と同じですよね。
「ミルクの分」の空間は、ミルクと砂糖できっちり埋めさせていただきました。

マクドナルドのおまけはやはりムーミンだった↓

Makkimuumi

マクドナルドのことは、口語で mäkki(マッキ)などといいますですね。

フィンランドのマクドナルドの公式サイトは こちら
フィンランド語 Wikipedia のマクドナルドの項は こちら
↑日本語版 Wikipedia とくらべてみるとおもしろいかも>こちら

(2007.5.15 by mf)
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シマを飲む

フィンランドに住んでいる友だちの家で、自家製のシマsima をごちそうになりました。

Sima

シマは、 フィンランドでは Vappu(ヴァップ)=5月1日の祝日のころに楽しむ飲み物です。
甘酸っぱくてすこし発泡していて、さわやかな味わいです。
シマについては政府観光局のサイトの このページ などに。
レモンとお水と、イースト、レーズン、砂糖(日本の三温糖みたいなやつ)などでつくるということでした。
ライムや、はちみつを入れるレシピもあるそうです。

グラスの中の、丸いころころしたのが、レーズンです。
水分を吸って、「元の姿」に戻っちゃってます。
レーズンって、ぶどうだったんだねえ。

シマって、英語では mead といい、けっこうあちこちの国や地域で似たようなものが飲まれているんだそうですね。
英和で mead を引くと「はちみつ酒」などとあります。
おお、はちみつ酒なら、子どものころ外国のお話を読んでいると出てきて、「どんな味だろう?」とわくわくしたような。

フィンランド語の Wikipedia の sima の項 をながめてみたら、この飲み物の歴史は、古代クレタ文明(!)にさかのぼれるほど古いらしい。
フィンランドで、現代のシマのような甘いタイプが作られるようになったのは18世紀以降のことで、当時は砂糖やはちみつが高価だったため、領主様たちの口にしか入らなかったとか、なんとか。

ところで、シマのグラスの置かれたテーブルには、さんさんと日がさしています。
夕方、というか夜、少なくとも19時は過ぎてたんじゃないかな。
西日のあたる部屋というと、日本では好まれませんが、
フィンランドでは西向きがいちばんいい方角です。
沈んでいく太陽の光を、いつまでも楽しめるから。

もっとも、日本人の感覚ではやはり、いくらフィンランドであっても、
西日がずーーーーーっとあたっているのって、
ツラいものがある、という意見も聞かれますが。

(2007.5.10 by mf)
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本と薔薇の日々

あっという間に4月も下旬だ。時の過ぎるのは早いなあ。
フィンランド語でいうと aika rientää (=英語の time flies)……。

今日4月23日は、日本では「サン・ジョルディの日」ですね。
参考:
★日本書店商業組合連合会のサイト「本屋さんへ行こう!」の中の、 「世界本の日 サン・ジョルディの日」のページ

★日本語Wikipedia の 「サン・ジョルディの日」の項

この日には、(男女で)本と花を贈りあう、ということになっていますが、あまり定着してないですね。
(むかし、書店でこのキャンペーンが始まったときのこと、覚えてるんですけどね。2月のチョコよりよっぽどすてき、これは定着してほしいと思ったんだけどな~。あと、現代の商業イベントにするなら、べつに男女に限定することもないよーな……)

ところでフィンランドには「本とバラの日」ってのがあります。
フィンランド語では Kirjan ja ruusun päivä (キルヤン ヤ ルースン パイヴァ)
そしてそれは、4月でなく5月のイベントです。

「本とバラ」というあたり、サン・ジョルディの日とコンセプトは同じだよなあ、と漠然と思っていました。
ちょっとググってみたところ、やはり日本語でいうところの「サン・ジョルディの日」を、フィンランドでは「本とバラの日」と呼ぶみたいですね。

参考:
★フィンランドの Kirjan ja ruusun päivä 公式サイト
(↑ここを運営してるのは Suomen Kustannusyhdistys フィンランド書籍出版協会)

★フィンランド語Wikipedia 「Kirjan ja ruusun päivä 」の項

上記参考サイトによると、ヨーロッパではフィンランド以外にも、「本とバラの日」=「サン・ジョルディの日」が4月23日ではなく、別な日になっている国があるとのこと。
たとえば、英国とアイルランドでは3月だと書いてあります。(この2国について、Wikipediaでは「3月6日」とありますが、「本とバラの日公式サイト」では「今年(2007年)は3月2日だった」となってます)
へー、そうだったのか。

フィンランドの「本とバラの日」も、日付は一定ではないようです。
2007年は5月8日です。2006年は5月10日でした。
Wikipedia には、(フィンランドでは)もすこし気候のいいときに……という意見があって、4月から5月に移された、などとあります。4月はまだ、雪が降ることもありますもんね。本はともかく、花の日、ってのはちと(気分的にも)きついかも。
じっさい、「本とバラの日」公式サイトの過去の記録を見ると、2001年、2002年には4月23日にイベントがあったらしく、その後5月に変わっています。

さらにWikipediaによると、フィンランドでは1998年から、ヨーロッパ(のほかの国々)の例にならってこの日が祝われ始めたってことで、フィンランドでこの日が「公式に」祝われるようになったのは2002年から、とあります。
公式サイトのほうを見ると、2001年にもヘルシンキだけですがイベントはあったみたいですね。だんだん大規模になってきた模様。

この日にはフィンランド中でいろいろな催しがあります。「公式メインイベント」はヘルシンキで開催。
書籍、文学に関するさまざまな賞の授賞式や、作家を迎えてのトークショーなんかがあります。
あちこちの書店で本のセールや関連フェアがあるのは、本好きにはうれしいですね~。

ところで「本とバラの日」の公式サイトのトップページに出ているポスター(今年の、かな)、カラフルでステキですが、これ日本でも『ぶた』シリーズで人気のある、Julia Vuori のイラストですね♪→ここのページ に、ポスターと、しおりの画像があります。色がキレイ~。

本と薔薇の日々、という今日の記事タイトルはまあ、シャレで書きましたが。うるわしい響きですねぇ。
現実には、家の中は本の山で足の踏み場もない(比喩でなく……)ので、本に埋もれて死ぬことは十分可能です。(死因は窒息死、または棚から落ちてきたフィンランド語の大型辞典で頭を強打)
だけど、薔薇が家の中で「山」になってたことなんて、人生で一回もありませんわ。
いっぺんくらい、薔薇に埋もれて死んでみたいかもね♪夢でもいいから。

心に響く本、美しい花。
どっちも、人生を豊かにしてくれるものですよね。
それらを大切なひとと贈りあうという気持ちがあれば、なおさら、日々は豊かになるんじゃないでしょうか。

(2007.4.23 by mf)
★しばらくの間、コメントを承認制にします。書いてくださったコメントは、わたしが承認した後、表示されます。めいわくすぱむがね~、もう……。

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4月になりました。
日本では新年度、新学期のはじまりです。
東京の桜は美しく咲き誇っています。
風にはらはらと散る様子もまた風情があります。
きのう、桜吹雪の中に黄色い蝶々が舞うのを見ました。
春ですね。

春というと思い出すことがあります。

ずっとずっと昔、まだフィンランド訪問が2回目くらいだったころのこと。
とある地方都市にしばらく滞在して、フィンランド語を勉強していました。
それは7月で、フィンランドのいちばん美しい季節でした。夏休みシーズンでもありますね。
夏のフィンランドは、空は真っ青、夜更けまで日が沈まず、森の緑、野の花、小鳥の歌……ほんとうに夢のように美しいのです。

その町は大きな湖のほとりです。
湖畔に小さな木造の建物があって、アマチュアグループの作品展が開かれていました。
日曜芸術家さんたちの作品がいろいろ展示されているのを、ゆっくり見せてもらいました。

油絵のコーナーに行くと、展示作品の中に、「春」というタイトルの一枚がありました。

その絵の印象は、「やわらかい灰色」でした。

画面の中央に、はだかの木が一本、立っていました。
花も咲いていません。葉っぱもついていません。
空には日がさしているようだけれど、青空ではありません。
淡い水色と灰色のまじったような空です。
でも、もう雪は降っていないし、積もってもいない。
黒い土が見えています。
地面がぬれて、ところどころ水溜りがあるのは、雪解けのせいでしょうか。

それが「春」という名の絵でした。

日本人なら、この絵に「春」という名はつけないだろう。
「早春」でもきびしいんじゃないか。「冬の終わり」?
そんなことを考えながら、わたしはしばらく、その絵の前から離れることができませんでした。

あの静かな灰色の風景を春と呼ぶ、そういう国と付き合っているのだと、ふとした瞬間にわたしは思い出すことがあります。
春、この季節の名を口にするとき、心にうかんでいる情景は、もしかしたら人によって、国によって、ぜんぜん違うのかもしれません。

フィンランド語で「春」は、 kevät (ケヴァット)です。

(2007.4.2 by mf)

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大酒飲みはどこの人?

先日、アサヒコムのニュースでちょっとおもしろいのがありました。
場所は次のところです:
asahi.com > 国際 > ヨーロッパ

記事のタイトルは「大酒飲みはアイルランド人?欧州統計」。2007年03月19日の記事です。

内容は、EU内各国の「お酒の飲み方」について。
EUの世論調査機関である「ユーロバロメーター」が、EU加盟27カ国を対象にまとめた統計によるものだそうです。
1回に飲む酒の量(種類は特定しない)は?という質問に対し、「5杯以上」と答えた人の割合が多かった上位の国々は、

1位:アイルランド人(34%)
2位:フィンランド人(27%)
3位:英国人(24%)
4位:デンマーク人(23%)

われらがフィンランド、堂々の2位入賞。
逆に、「1回に飲む量」が少なかったのはブルガリア人で、「5杯以上」は1%、「1、2杯」が64%だそうな。

お酒とフィンランド人についてはこのブログでも何度か話題にしてきました。
フィンランドを語るとき、お酒を無視することはできません。
お酒がらみでは、まあいろいろとあることは事実です。

さて、このアサヒコムの記事は続きがあります。
上の結果は「1回に飲む量」でしたが、1回にどれくらい飲むかでなくて、「お酒をどれくらいの頻度で飲むか」という問いへの答えで見ると、結果がぜんぜん違う。

「毎日飲む人」の割合がトップだったのは、ポルトガルだそうです。

1位:ポルトガル人(47%)
2位:イタリア人(26%)
3位:スペイン人(25%)

南方のラテンなひとびとが並んでますね。
「1回に飲む量」ではトップに輝いたアイルランド人は、飲む頻度では「週1回」が最も多く41%。毎日って人はたったの2%だったそうです。

お酒、アルコールというものの「摂取のしかた」に、ヨーロッパの中でも大きな違いがあるんですね。
これはアサヒコムの記事でも言及されてますが。

わたしが以前、だれかに聞いたか、なにかで読んだ話ですが……
(ソースが明示できずすみません)

ヨーロッパでも、南のほうは、アルコール(主にワイン)は食事のときの飲み物である。それゆえ、アルコールを飲む「頻度」は高い。
一方、北のほうでは、食事のときにアルコールを飲む習慣はない。だから毎日飲むということはない。

たしかにフィンランドの家庭だと、食卓に並ぶ飲み物としては、水、牛乳、ジュース、などが普通だと思います。
また、南欧を旅行した人の話を読んだり聞いたりすると(これまたソースが特定できずすみませんが)、ごはんを食べるときに出される飲み物がいつもワインしかなくて困った、というエピソードがあったりします。

1回に飲む量が多いのと、
飲む頻度が高いのと、
どっちが「大酒飲み」かは、まあ、考え方によるでしょうね。

わたしが個人的にフィンランド人たちとつきあってきて感じるのは、彼らのお酒の飲み方というのが、

「酒を飲むときは、酒を飲むという目的を持って、酒を飲むのである」

という感じだということです。

これに関連して、ひとつ「ジョーク」をご紹介します。
次の本に収められているものです。

『エスニックジョーク 自己を嗤い、他者を笑う』
クリスティ・デイビス、阿部剛 著
講談社選書メチエ 2003年

この、「第三章 抜け目のない人・酒に憑かれた人」(すごいタイトルだのぉ~)に、こんなジョークがあります。

(以下、引用)
フィンランド人とスウェーデン人が、「一晩一緒に飲み明かそう」とウオッカとブランディを飲んでいた。4時間が経ったころ、スウェーデン人がグラスを高く掲げ、酒を飲みはじめて以来、はじめて口を開いた。「スカール(Skaal:乾杯)」。すると、フィンランド人はナイフを取り出し、スウェーデン人の鼻の下に振りかざした。
「なあ、俺たちゃ、しゃべるためにここへ来たのかね、それとも飲みに来たのかね?」

(引用終わり)
(実際にはまず英文があり、日本語はその訳として掲載されています)

さらにおかしいのは、この本の著者がフィンランド人にこのジョークを見せたところ、そのフィンランド人(女性)は

(以下、引用)
「本当です。彼らは、酔っ払うためにひたすら飲むのです」
(引用終わり)

と言ったのだそうな(笑)

ここでは、スウェーデン人が、フィンランド人を、「しょーがねー大酒飲みだぜ」と笑う図式なわけですが、
この本ではこのあと、そのスウェーデン人が、デンマーク人に笑われるジョークも紹介されています。

(以下、引用)
スウェーデン人の飲兵衛と蚊の違いは?
蚊がうるさくてはた迷惑なのは夏のあいだだけ(スウェーデン人の飲兵衛は一年中)。

(引用終わり)

そんで、この本では、同じ「スカンジナビア」(ここにフィンランド入るのかね?)でも「飲み方」に違いがあるとみなされている、という話が書いてあります。
つまり、

デンマークのは、「コンチネンタル(大陸)型飲酒パターン」。飲酒の機会・消費量ともに多いが、酔うために飲むことは控える。

スウェーデンやノルウェーのは、「ノルディック(スカンジナビア)型飲酒パターン」。飲酒の機会も消費量も比較的に少ないが、酔って自制心を失うまで飲む。

……と、認識されてるってことだと。ジョークはこの認識に基づいて成立するわけですね~。

「飲み方」の違い、これは冒頭に書いたアサヒコムの記事でも取り上げられていたのでした。

国や地域によっていろいろな「違い」がありますよね。
とくにお酒の飲み方となると、ある程度親しくつきあってみないとわからない部分もあると思います。
現地の人たちと飲酒の機会があっても、飲めないとき、飲みたくないときは、正直にはっきり断るべきですよね。でないと大変な目に遭いかねません。
はっきり意思表示をすれば、飲めない人に飲めと強要することがあまりないのは、フィンランドのいいところだと思います。(もっとも、相手が酩酊しちゃったあとではどーなるかわかったもんじゃありません。最初が肝心)

フィンランド人も日本人も、どこの国の人も、お酒は楽しく飲みましょう♪
↑このセリフ、お酒の話題のとき毎回書いてるなあ(笑)

(2007.3.21 by mf)
えーと、上にあげたジョークは上記の書籍からの引用であり、「(エスニック)ジョーク」という文脈であることにご注意くださいね。
あと、スウェーデン語の乾杯はスカールより「スコール」のほうが元の発音に近いんじゃないかと思います。
当ブログの過去の「お酒ネタ」は こちら など。

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黄金のことば

記事のタイトルは、「マーンメ」の歌詞の一節です。

「マーンメ」というのは、フィンランド共和国国歌のタイトルです。
MAAMMEと書きます。意味は、「私たちの国」。
MAA が、国とか土地のこと。
後ろについている -MME は、「私たちの」という意味です。
歌詞は、スウェーデン語で書かれたものが原詩であり、そのフィンランド語訳のタイトルが、MAAMMEです。

12月6日の独立記念日には、フィンランドのあちこちでこの曲が高らかに演奏され、歌われたことでしょう。

この曲については、松村一登先生のホームページの、フィンランド国歌「わが祖国」のページに、たいへん詳しくてためになる解説があります。
フィンランド語の歌詞と、松村先生ご自身による日本語訳も掲載されています。「黄金のことば」という箇所が1番の中にあります。

曲を実際に聴いてみたい方は、世界各国の国歌を集めた national-anthems.net に、音声ファイルがあります。

わたしは、フィンランド語でなら、1番・2番とも、歌詞を見ないで歌えますよ、ええ(笑)胸が熱くなる歌詞ですよね。メロディも好きです。

わたしがフィンランド語を勉強し始めたばかりだった、はるか昔のこと、フィンランドの独立記念日に、都内でちょっとした催しがありました。
日本に住むフィンランド人が集まっていました。
そこには、お世話になっていたフィンランド人の先生もいらっしゃいました。
完璧な日本語を話される方で、フィンランド人だということを忘れそうになるくらいでした。
でもその日、「マーンメ」の斉唱になったとき、みなと一緒に起立して、誇らしげな表情で、大きな声で歌っている先生は、フィンランド人そのものでした。

「響け、この黄金のことば(Soi, sana kultainen!)」。
歌詞のこの箇所が、とくに好きです。
黄金の、と形容されていることばは、祖国の名スオミです。

ところで、これもはるか昔に仕入れたネタなんだけど、フィンランド語のジョーク集でおもしろいのがありました。
いろいろイラストが描いてあって、「これは何でしょう?」「それは××、そのココロは……」というパターンのやつです。

そのページに描いてあったのは、ただの一本線が、横一直線に引かれているだけというもの。
なんじゃこりゃ?

「答え」は、「MAAMME-LAULU(マーンメの歌=フィンランド国歌)」。
そのココロは、「EI LAAKSOA, EI KUKKULAA=谷もない、山もない」。

あはは。
これ、マーンメの1番の歌詞なんですよね。
この祖国より愛すべき、谷も山もない、っていってるんですけどねっ♪
↑じっさいフィンランドは国土が平坦だから「谷」も「山」もなかろうというツッコミはなしにしてね。はぁと。

(2006.12.8 by mf)

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イルミ

「クリスマスイルミ」「イルミ特集」などという表現を、このごろネットや雑誌でよく見かけます。

イルミってなんじゃ?

と思ったけど、「イルミネーション」の略なんですね。よく考えるなあ。

しかし、これ、わたしの目には、なんとなくフィンランド語に見えてしまうです。

フィンランド語で イルミ (ILMI) といったら、「明らかになる/する」「あらわになる/する」などというときの「明らかに」「あらわに」の部分です。
関連のある単語に ILMIÖ 「現象」 なんてのもありますねー。
(発音は、「イルミヨ」くらいかね?ウムラウトをカナにするのは難しい)

なので、「イルミ特集」っていわれても、「きらびやかな光の芸術」という意味がわたしの頭に浮かぶまでに、光は地球を7周半くらい、してしまうのでした。

フィンランドの都市でもイルミネーションが始まっていますね。
とはいえ、日本の「イルミ」みたいに華々しい、にぎにぎしいものではなくて、
その印象は「シンプル」の一言に尽きる気がします。
いや正直、「地味」といっていい。

北欧の冬は暗いです。とても暗いです。
なかでも、冬至の直前でいちばん日が短く、暗いこの時期に、せめて町に明かりを、という北国の人々の切々とした思いと、
派手な「イルミ」でぱーっと景気よく、という日本人の感覚とは、
違うものがあるのでしょう。

冬にフィンランドにいると、ささやかな明かりのあたたかさが、本当に心にしみます。

12月6日はフィンランドの独立記念日ですが、この日の夜には、青と白のキャンドルを、窓辺にともす習慣があります。

(キャンドルの画像が ここ に)

ちょうどその日の夜にヘルシンキの町を歩いたことがありました。
あちこちの窓辺にともし火がゆれて、静かな、美しい情景だと思いました。

ところでトルコ語ではイルミyirmi って数字の「20」のことだよね~(笑

(2006.12.4 by mf)
※12/5午前10時~12/7午後3時(日本時間)は、メンテナンスのためコメントの書き込み・トラックバックができません。

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ルネサンス

Suomen Kuvalehti(スオメン クヴァレヘティ)は、一言でいえば、フィンランドの「タイム」とか「ニューズウィーク」、みたいな感じの雑誌です。
雑誌のネット版は こちら

この雑誌の創刊90周年記念の一環で、なぜか「コスプレ」が取り上げられています。
まずは このページへ。
そしてこの中の Cosplay – naamiaisrenessanssi の文字列をクリックすると、このページ へ移動して、ビデオが見られます。

Cosplayは、文字どおり、コスプレ。
Naamiaisrenessanssi は、前半のnaamiaisは仮装 + 後半は「ルネサンス」ですね。
(ところで、フィンランド語ではコスプレではなく「コスプレイ」なんですよね。まあcosplayって書くんだから、そのとおりに発音されているのですが。もっとも、このビデオのテキストの中には kosupure というローマ字表記も出てきています)
ルネサンスだって。歴史的事象ということか。

ビデオは、テキストも音声もフィンランド語ですが、ともかくクリックして映像・画像を見てみてください。(音が出る箇所があるのでご注意)
くわしく日本語で解説を書きたいところですが、いまちょっとやってる時間がないので(^^;)

ビデオの最初のほうで、
「コスプレ」の衣装は、日本(と韓国)のポップカルチャーに基づくものであること、
それらはmanga(日本のまんが)、manhwa(韓国のまんが)、各種ゲーム、音楽(J-POP、J-ROCK)などであること、
熱中しているのは女の子が多いこと、
なんかが述べられています。

出てくる皆さん、なかなか気合入った衣装です。
こういう世界にはなじみがあるという人も、そうでないという人も、「へぇ…!」って思うんじゃないでしょうか。

中にTraconというのが出てきますが、これはタンペレで開催されてるアニメ・漫画イベントですね。わたしは行ったことないけどね。

ビデオの製作はタンペレ大学のビジュアルジャーナリズム(っていう分野があるの?)の、修士課程のプログラムだったみたいです。だから、タンペレでやってるTraconを取材したのねきっと。

えと、ビデオは(わたしの見た感想では)けして冷やかし半分ではなく、コスプレという新しい自己表現に熱中する若い人たちの内面に切り込もうとした、なかなかの意欲作かと。
衣装を作っている女の子がミシンを踏んでいるシルエットに、ミシンの動く音がかぶっているシーンが、なんかいいなと思いました。

しかし、なんか、ほんとにすごい時代になりました。
ユザワヤがフィンランドに進出する日も近いのだろうか(んなわけないか)。

(2006.11.26 by mf)

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吹雪の名の日に

こないだの日曜日に冬時間に移行したばかりのフィンランド、いきなり真冬になったようで。
この1週間、フィンランドのあちこちから(とはいえ南部)、大雪だ~、風が強い~、などという便りが届いていました。
特に11月1日などは、吹雪いてしまって吹き溜まりに雪が1mも積もってる、という話まで。
11月に入ったばかりでそんな大雪って、いくら北欧でも、「ええっ?」です。

今日(土曜日)の朝、フィンランドの気象情報サイトを見たときも、フィンランドの気温は全国的に軒並みマイナス。
南部のヘルシンキやタンペレ界隈でも、マイナス10度とか、それ以下になってました。
ひぇ~~~。

と叫んでいると、フィンランド南部某所に在住の友人から、「今日の一枚」が送られてきました:

Pyry
(クリックで大きくなります)

ひぇ~~~~~~。
これぢゃ本当に真冬です。これだけ見たら、2月ごろの写真かと思うよ。

これは友人の家の庭先で、画面の真ん中あたりは、です。
わたしもこの湖で泳いだことがあるんですが、ひょぇ~。
湖には、雪が降る前にすでに氷が張っていたそうで、その上に雪が積もって、真っ白に。

ちなみに友人は、岸辺まで行って写真を撮ろうとしたものの、雪が深くて、スニーカー履きの足ではとても行けなかったそうな。
この時点でもマイナス10度以下だったそうですが、日がさして風がないので、さほど寒くは感じなかったとのこと。
そして、今年はじめてのダイヤモンドダストを、見たそうです。

お天気サイトFORECAの「トリビア」コーナーを見たところ……
11月3日に最も気温が低かったのはキッティラで、-26.5℃(きゃ~)。
先週1週間で最も降水量が多かったのは、なんとヘルシンキ-ヴァンターで、86,1 mm

いくらなんでも、11月初旬にこの状況は、ちょっと異常じゃないですかね。
手元の暦(AJASTAIKA2005)を見たところ、11月3日の平均気温は、

ヘルシンキ +2.1℃
オウル -1.2℃

となってますので、やっぱちょっと、寒すぎですよね。
(1971~2000年の統計に基づいた数字らしいです。統計的なことはフィンランドの「気象庁」、Ilmatieteen laitos のサイトの ここ へ←英語)

月曜日には、少なくとも南部では気温が上がってプラスに転じ、雨も降るようです。それで南部の雪はとけるでしょうかね。

このごろはフィンランドも暖冬気味で、12月になっても南部では積雪がないことも多く、クリスマスまでにはなんとか積もってほしい、という声をよく聞きました。
(雪が積もって白くなったほうが、明るいし、町の姿もきれいだから、と。歩きにくいとかは、もちろんあるけど)
でも、ときにはこんなこともあるんですね。大自然の力はおそろしい。

ところで、この大雪はもしかして、運命的な符号だったのかもしれません。
というのも、11月1日は、Pyry(ピュリュ)という人名の、「名前の日」でした。
(「名前の日」を祝うのは、キリスト教圏でひろく見られる習慣ですよね。聖人の日と関係あるんでしょうね)

そして、 pyry という単語には、「吹雪」という意味があるんですね。
「吹雪」の名前の日のころに、ほんとうに吹雪が来るとは、まるで映画みたいです。

「吹雪さん」は、男性の名前ですが、わずかながら女性もいるらしいです。

現地のみなさま、どうぞ寒さにお気をつけて~。
日本(関東地方)は来週あたり、そろそろ木枯らしが吹くかもです。日本でも、晩秋から初冬へ、季節が移り変わりつつあります。年賀状、売り出してますしね。

(2006.11.4 by mf)

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冬時間はじまる

フィンランドは今朝、冬時間(フィンランド語では talviaika )に移行しました。今日からまた、日本との時差は7時間。1時間遠くに行ってしまったんですね(ってへんな言い方だけど)。

フィンランド時間で明け方の4時が、冬時間になる「境い目」です。
4時になったところで、時計を1時間戻します。
時間調整のため、夜行列車は駅で1時間停車するなどの措置が取られるそうです。

この数日、フィンランドではぐっと気温が下がり、しかも嵐までやってきたそうで。
強風による停電もあったということですね。スウェーデンやエストニアなどでも。

土曜日にエストニアの首都タリンでは、ヘルシンキ-タリン間を航行するフェリーが港に停泊していたところ、荒天のため桟橋にぶつかって、船腹に穴があいちゃったんだそうな。
人的被害はなかったようだけど、2000人の乗客は足止め食らってタリンで一晩あかし、翌日、他社の船でヘルシンキに戻ったとか。

日刊紙Helsingin Sanomatのウェブ版をみたら、各地に被害をもたらしたこの嵐のことは syysmyrsky「秋の嵐」と呼んでいた。
まだ冬じゃないもんね、違うもんね、秋だもんね、っていうことでしょうか。冬時間移行直前でしたから、まだ「秋」だった?

以前にもご紹介した道路情報のサイトを見ると、今日の日曜日は晴れている場所が多いけれど、嵐がもたらしたのであろう雪が、まだけっこう残っていますね。南部でも。

冬時間初日の今日、フィンランドにいる友人知人からは、昨日は吹雪だった、気温は零下だ、霜が降りて真っ白だ、車のタイヤを冬用のに交換しなくちゃ……などというメールが届いています。

冬の足音。ムーミンたちは、まつばをおなかにつめこんで、冬眠に入るころでしょうか。
でも、冬のさなかにひとりだけ目を覚ましてしまったムーミントロールは、それまで知らなかった雪と氷と闇の世界を体験して、ひとまわり成長するのでしたよね。(『ムーミン谷の冬』をお読みください)

フィンランドでは、去年の冬がわりと寒くて長かったようなので、今年はその逆になるといいですね。

(2006.10.29 by mf)
世界の「暦」を知るにはこちらが便利。(英語)

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鯖に住む

以前の記事でご紹介した、ヘルシンキ中心部の建築物が見られるサイト。その名も

Korttelit.fi

サイト名にある kortteli (コルッテリ)は、道で区切られた一画、「ブロック」のことです。
(korttelit と最後に t がついてるのは複数の形です)

このサイトを最初に見たときに「へぇ?」と思ったのは、ブロックのひとつひとつに、名前がついているらしいことです。(英語版だとブロック名が出てないんですが)

鉄道駅のあるブロックの名前は Rautatieasema「鉄道駅」となっていて、つっこみのしようもありません。
中央郵便局のあるブロックKaasutehdas「ガス工場」、昔ここに工場があったのかしらん。

しかし、こういう無機質なものの名前より、動物名がついているブロックのほうが圧倒的に多いんですわ。
たとえば、ストックマンデパートのあるブロックは、Gaselli「ガゼル」
駅前の、Kaivopihaなどがあるブロックは、Soopeli「クロテン」
(この動物と、某大手携帯電話会社との関係については 以前の記事 をどうぞ)
また、カウッパトリの前の、ヘルシンキ市庁舎のあるブロックは、その名もLeijona(ライオン)です。

んで、こないだこの Korttelit.fi を見ていたら、さらにすごいブロック名があるのに気づきました。

ブロック名: Makrilli (マクリッリ)

「マクリッリ」つったら、ですよ。サバ。青いお魚の、さば
「まぐろブロック」ならともかく(笑)、鯖ブロックとはこれいかに。

鯖ブロックは、 この一画 です。
エリアとしてはUllanlinna(ウッランリンナ) の中です。

ウッランリンナ地区は、ヘルシンキの南のほうです。位置を確かめたい人は ここ などで検索してください。(鯖ブロックに含まれるストリート名と番地、たとえば Vuorimiehenkatu 23b などでどうぞ)

ちょっと探したら、このページのなかに、ヘルシンキのブロック名についてすこし記述がありました。
(ヘルシンキ大学の情報紙12/95号のようです)

これによると、ブロック名の起源は19世紀の始めにまでさかのぼれるそうです。
J. A. Ehrenström による都市計画の中の各ブロックに、ペットや家畜、野生動物の名前がつけられたのが始まりだとか。
(このヒトは当時のヘルシンキの都市計画の中心人物。1808年の大火事のあとの復興と関係あるのかな、たぶん。名づけにかかわった人物として Fabian Steinheil という人の名も見えます)

どのブロックにどの動物名がつけられたかについては、特別な意味はなかったみたい。
ブロック名はスウェーデン語のものが正式だそうですが、1866年に出たヘルシンキガイドには、非公式ながらフィンランド語名も載せられたとのこと。
しかしその後、ブロック名は実用では使われなくなりました。

それが、この記事の載ってる情報紙が出たころ(95年かな?)、アレクサンテリン通り界隈に、かつてのブロック名を記した(フィン語で)プレートがお目見えして、道行く人を楽しませるようになった、という話。

そういえばついこないだ、まさに「クロテン」ブロックの中で、「SOOPELI(=クロテン)」って書いてあるプレートが建物の壁にあるの、見た記憶がありますわ。あれは、それだったのかな。
「鯖」は、プレートは復活してはいないでしょうけど、でもそんな昔からある由緒正しい名前なんですねえ。

ヘルシンキには、家が「鯖ブロック」にある人が、確実に存在するんですね。
ブロック名は住所表記には入らないとはいえ、「鯖」に住むなんて、なかなかできない体験だ、うらやましい(?)。
しかしまあ、鯖なら住むより食べたいですね。
塩焼きか味噌煮か迷っちゃうな~。

ちなみに、「まぐろブロック」もあるかと思って探したんですけどね、ないみたいです(笑)
(まぐろ=tonnikala トンニカラ)
もし、「いや、あるよ」という方はぜひ教えてください。

(2006.10.11 by mf)

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メトロでGO

こないだヘルシンキでこんなの買いました。
Tpaita
ヘルシンキ交通網Tシャツ。

中央駅の地下にある、ヘルシンキ市の交通局(っていうのかね)の窓口へツーリストチケットを買いに行ったら、このTシャツが目に入って、思わず購入してしまいました。12ユーロ。
交通網といっても、このTシャツにプリントされてるのはメトロ(地下鉄)のネットワークだけですね。

ヘルシンキのメトロには、来年(2007年)の元旦に新駅が開業するそうで、その名前も出ています。

Tpaita2

クリックして↑拡大すると文字が読めるかと思いますが、右の端のほうにある Kalasatama(カラサタマ) というのがその新駅の名前です。
これはフィンランド語名で、スウェーデン語名はその下に書いてある Fiskhamnen のようですね~。
中央駅(Rautatientori駅)から北へ(いや、東へ?)四つ目の駅になるわけですね。
一つ手前のソルナイネンSörnäinenは、以前潜入レポートを書いた公共サウナの最寄り駅です。

メトロは今後も拡張の計画はあるものの、実現はまだまだ先みたい。
このTシャツには、どうもその計画が「完成した暁」のネットワークが描かれているようで……
市の南のほうから、カンピKamppi を通ってヴァンターの空港までつながってるし。でも空港までメトロでいけるようになったら便利だなぁ。

ヘルシンキのメトロのことは英語の Wikipedia にいろいろ出てます。
(フィン語版は こちら
これによると、ヘルシンキのメトロって「世界最北の地下鉄」なんだって!

フィンランドのロヴァニエミ市には世界最北のマクドナルドがある、という話は有名ですが、しょっちゅうお世話になっているヘルシンキのメトロも、「世界最北」の称号の持ち主だったのねぇ。

んで、上のWikipediaからリンクがはられている、このページ へ行くと、おもしろいものが見られます。
まず、ヘルシンキ市メトロ関連写真集。
フィン語オンリーですが、Metrokuvat(メトロの写真)というタイトルの下に並んでるのは全部それですから、クリックしてみてください。
これ、鉄道好きな方はかなり楽しいのでは。

さらに、「メトロビデオ」もありますよ~♪
ページの下のほうにある、Metrovideoの画像をクリック。Windows Media Playerで見られる動画です。
内容は、ヘルシンキのメトロの運転席からの映像です。
列車は東のほうから中央駅、カンピを通って終点のRuoholahti(ルオホラハティ)まで行き、乗客を降ろしてから業務用の線路に入っていきます。居眠りしていて車内にとり残された乗客がいたりして笑える。
そして、今度はルオホラハティを始発として、さっきとは反対方向へ向かっていく映像になります。

えっと、地上を走っている部分では、雪の積もっている窓外の景色が見られますけど、地下に潜っちゃうと、真っ暗なトンネルの中をえんえん移動していく映像で……まあ地下鉄ですから当たり前ですが。
でも、駅に着くときのアナウンスの音声が聞こえたりして、ちょっとヘルシンキに来ている気分が味わえます。
12分以上あるのですが、けっきょく全部、見ちゃったよ(笑

(2006.9.20 by mf)

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タクシードライバー

8月下旬のある晩、ヘルシンキでタクシーに乗りました。
それなりに遅い時間で、タクシー乗り場にいたのをつかまえました。
ドアを開けようとしたとき(タクシーのドアは手動)、車がちょっと動きかけましたが、すぐに停まってくれました。

乗り込んだとたん、運転手さんが話しかけてきました。

「いやー、動いちゃってごめんねー。暗かったんで、お客さんに気がつかなかったんですよー。どちらまで~?」

……フィンランド語で。

ありゃ、わたしフィンランド語を話すなんてひとことも言ってないのに。
いくらアジア人でも、そんな時刻にひとりでタクシー拾ってるんだから、現地のことばくらいしゃべるだろうと思われたかな。

行き先を告げると(当然ですがフィンランド語で)、車は走り出しました。運転手のおじさんは気さくで、うるさくない程度にいろいろ話しかけてきます。

「しかし今日も暑かったですねぇ~。今年の夏はほんと、雨が降らなかったねぇ。どこもかしこもカラカラですよ」

タクシー内の基本会話は、やっぱりお天気の話題ですね。

「でも、天気がいいから、やっぱり気持ちはいいですよねー、外にいると……」

わたしがいうと、

「うん、それはもちろんそうだねぇ!」

運転手さんはなんだかうれしそう。
この北国で、「晴れて気温の高い夏の日々」がどれほど価値のあるものか、それは住んでいないわたしでもわかります。

カーラジオからは、ニュースが小さな音で流れていました。
運転手さんとの会話がとぎれたときに、アナウンサーの声が耳に入りました。
かつて、ある文芸誌の名物編集長だったひとが、亡くなったと。
その文芸誌のことは、わたしの周囲でちょうど話題になっていたので、なんとなくめぐりあわせのようなものを感じました。

ああ、秋なんだなあ。

なぜか突然、そういう思いがわきあがってきました。
どうしてだかわかりません。
車の窓の外に見えるヘルシンキの夜空が、真っ暗だったからかもしれません。
北欧の夏の夜は、遅い日没の後も真っ暗にはならなくて、夜更けの空は青みを帯びたふしぎな色をしているけど、
夜が暗いってことは、もう真夏ではないってことなんですね。北欧では。

その日、昼間はよく晴れていて陽射しが暑かったし、夜になっても気温は下がらず、わたしは夏と同じような薄着をしていたけれど、

でももう、季節は秋なんだなあ。

やがて目的地に着き、料金を払って降りようとすると、運転手のおじさんはニコッとして、

Hyvää yötä. (おやすみなさい)

と言ってくれました。わたしも同じあいさつを返して、
そして車は夜空の下を走り去っていきました。

ことばができてよかったな。
そう、しみじみ思いました。

ただ、これだけのことなんですけどね。

秋の晩のできごとでした。

ヘルシンキでタクシーといえば、映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」を思い出しますね。あれは冬の話だけど。

(2006.9.13 by mf)
今日の東京は一日しとしと雨でした。

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メイド・イン・フィンランド

夕食の材料を買うために、スーパーの生鮮食料品売り場へ行きました。
そしたら、おさかなコーナーに

フィンランド

の文字が。わたしの五感はこの文字列には特に鋭く反応する仕様となっております。

しかし生鮮売り場に「フィンランド」の文字って、きわめて珍しいですよね?
しかも、おさかなのコーナーですよ。
ノルウェーならまだしも、フィンランドから日本が魚を輸入するなんて、ありえないんじゃ?
いったいなんだろうと思い近寄ってみると…

塩子持ち昆布(フィンランド産)

こもちこんぶ!?フィンランド産!?はぁ??

昆布とカズノコがサンドイッチになってる、あれ。
わたしはこれって、お寿司屋さんでしか食べたことがないです。
一瞬、ネタのために買おうかと思いましたが(笑)、100グラム当たり300円以上するんですね~。高っ!

なので購入はあっさり断念。

しかし子持ち昆布がフィンランド産ってどういうこと?
さっそく調べてみました。

まず、そもそも「子持ち昆布」とは何か?まさか「昆布カズノコサンド」があのままの状態で海中に生息しているわけではあるまい?
ググったらすぐに、解説のあるページが出てきました:

北海道ぎょれんのサイト

このサイトの説明をまとめると、

「子持ち昆布」とは、ニシンが産卵するときに昆布に付着した卵を、そのまま昆布ともども塩漬けにしたもの。
しかし、自然に生えている昆布に卵が付いた「天然の」子持ち昆布は、かなり貴重。
一般に売られているのは、産卵のために沿岸にやってきたニシンの群れをいけすに追い込み、そこに昆布を入れて、卵を付着させたものである。カナダなどで生産されている。

へぇ~!!しらなかった!!!

次に、フィンランドのGoogleでもって、次のキーワードを使って検索してみました。

海藻 merilevä
魚卵 mäti

これらの単語は「昆布」ではなく総称で「海藻」、「カズノコ」ではなく「魚卵」です。
あと、検索するときは適当に複数にしたり、格変化させたりした形を使います。

そしたら、あっという間に こんなページ にたどり着いちゃいました。ネットってすごい。

トゥルク市界隈が本拠地の日刊紙、Turun Sanomat(トゥルン サノマット)の過去の記事です(2003年7月6日付)。

トゥルク(Turku)はフィンランド随一の古都で南西部の沿岸地方にあります。ムーミンワールドのあるナーンタリのそばですね。

なんでも、この南西部の町Taivassalo(タイヴァスサロ)にある会社が、ニシンの卵すなわちカズノコを、日本向けににいっぱい輸出しているんだと。上のリンク先の記事を見ると、生産工場の様子を写した写真があります。ずらっと並んだ板状の「昆布カズノコサンド」を前に作業している人が~。

この会社、Länsi-Rannikon Kala Oy のサイトはここに~!(フィンランド語・英語・ロシア語)

サイトの説明によると、この会社は日本向けに、カズノコを20年以上輸出してきたんだそうな。そうだったのか~!

なお、ここでは「ニシン」は「バルトニシン」、フィンランド語で silakka となっています。英語ではBaltic herring、学名は Clupea harengus membras
ニシンもいろいろいますよねぇ。
「カズノコ」は silakan mäti つまり「バルトニシンの卵」という呼び方をされています。
(silakanmäti と一語で書いてあることも)

いやー、知りませんでした。カズノコが、子持ち昆布が、スオミの国からはるばる日本へ来ていたなんて。
こんど食べる機会があったら、フィンランド方面にむかって感謝をささげてから、味わうことにします。

(2006.8.1 by mf)

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髪はからすの…

わたしの髪は天然パーマです。
小さいころはまっすぐだったのに、小学校4年生くらいからくるくるし始めました。
ウェーブがかかっているというより、なんつーか、縮れてるっつうか、とにかくまとまらない。
これでどれだけ苦労してきたことか…(涙)。
少しでもきれいにのばしてくれるワザをもとめて、たくさんの美容院を渡り歩きました。
幸い気に入ったところが見つかって、ずっとそこに通っています。
何度か引っ越したため、いまの住まいからその店まではたっぷり1時間かかるのですが、それでも通うのだ。
じゃなきゃ、生きていけないのっ。くせ毛で悩んでる人にならわかってもらえると思いますっ。

こんなわたしにとって、髪の毛はいつもコンプレックスの元でした。
ですが、あるときフィンランドで、すんごくうれしいことがあったのです。

昔、フィンランド中部の小さな町(村かも)で、あるフィンランド人の家に泊めてもらいました。
その家族のお母さんは小学校の先生で、娘さんも生徒として同じ学校に通っていました。

泊めてもらった次の日、小学校でぜひ日本の話をしてほしいと言われ、お母さんと一緒に登校。
いくつかの学年の教室に行って、日本の紹介をしました(おもしろかった)。
んで、そのなかに、泊めてもらった家の子がいるクラスもあったんですね。

授業が終わり、家に戻ってから、その子と話をしていたら…
彼女がこう言ったんです。

「mfが教室に入ってきたときにね、あたしのとなりの席の子が言ったんだよ。"わぁ見て、なんてきれいな髪なの!"って」

!!!!もっと言ってぇ~~!!!!
そんなこといわれたの、人生で初めてだーーっっ!!
くせ毛で泣いてきたわたしは、もう大感激でした~~~。

日本人の黒い髪は欧米人にはやはりめずらしいし、北国に住むフィンランド人には、憧れでもあるんですね。
そのころわたしの髪はいまより(いまはセミロング)もっと長くて、肩甲骨くらいまではあったかなあ。冬だったこともあって、まとめずに下ろしていました。
わたしの長い黒い髪が、フィンランドの小学生の目には、すっごくエキゾチックに見えたんじゃないかな。
たぶんあの小学校の子どもたちにとって、わたしは生まれてはじめて遭遇した、生きて動いているアジア人だったろうと思います。

日本人に共通の黒い髪だというだけで、べつにとりたててきれいでもなんでもない、くせのあるわたしの髪でも、ほめ言葉の対象になることも、あるんですねー。
そういえば、

「日本人の髪って、ほんっとうに、全員そろって、みぃんな、黒いの?」

…そう尋ねられることがあると、在フィンの日本人の友人が以前、苦笑混じりに言っていました。
基本的にみんな黒いよ、って答えても、どっかで納得していないみたいだ、とも。

わたしの知り合いのフィンランド人でも、ビジネスでもう何度も日本に来ているのに、来るたびに必ず、

「いや~、こうして見渡す限り、だれもがみーんな黒い髪をしてるって、不思議だよねえ!」

と、感心したように言う人がいます(笑

欧米の小説なんか読んでると、登場人物の姿を描写するのに、かならず髪と目の色の説明がありますよね。
女性だと、その色に合わせた服を身につけていたり。
そういう世界に住んでいるかれらから見たら、みんなで黒い髪をしているわたしたちは、とっても不思議なのかも…。

なんてきれいな髪なんでしょう、って、その後もフィンランドで言ってもらったことが何度かあります。
これって、日本人、特に女性はたいてい、経験していると思います。
さわらせてほしい、って言われたり(汗

しかし日本は今、梅雨まっさかり。髪がボワボワ広がってしまう時期です~。苦労しますね。きーっ。
あ~いますぐさわやかに晴れたフィンランドへ行きたいよ…まあ、フィンランドは逆に乾燥しているので、それはそれで髪やお肌にはよくない面もあるのだけれども。

(2006.7.6 by mf)

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時計の下で

「時計」というのは、ヘルシンキの老舗デパート・ストックマンの、エントランスにある時計のことです。

エントランスの写真が、ここ や、 ここ などにあります。←ちょっと重いかも~

STOCKMANN という文字のちょうど「K」の下あたりに、時計が吊り下げられているのが見えます。
アレクサンテリン通り(Aleksanterinkatu)側、三人の鍛冶屋さんの像の近くですよね。

この時計の下は、ヘルシンキではポピュラーな待ち合わせスポットのひとつです。
わたしも、ヘルシンキに住んでいる人と会うときに、ここを待ち合わせ場所として指定されたことが何度かありました。

ストックマンデパートの「ストックマンカード」、要するにいろいろお得なメンバーズカードですが、このシステムが20周年を迎えたそうです。
これを記念して出版されたちいさな本、というか冊子があります。タイトルは、『時計の下で』(フィンランド語:Kellon alla スウェーデン語:Under klockan)

プロの作家が書いた本ではありません。
ごく普通のフィンランド人がつづった、このデパートにまつわる思い出話を、集めたものです。
ストックマンの呼びかけにこたえて、108編もの応募があり、そのなかから60編が選ばれています。
フィンランド語で書かれたものとスウェーデン語のもの、どちらもあるのが、フィンランドらしいです。

1930年代からいままでの、いろんなひとの、いろんな思い出が語られています。すべてストックマンデパートで起きた出来事なんだなぁ。

子どものころ、ここへつれてきてもらうのは一大イベントだったこと、
ここで運命の女性に出会いひと目で恋に落ちたという男性、
戦争中のこと、
クリスマスのショーウィンドウ、
職場としてのストックマン、
いろいろいろいろ…

写真もたくさん掲載されています。
この冊子はそのまま、ヘルシンキの文化史を語る史料にもなっているんですね。
(ストックマンの歴史は、ストックマングループのサイトの ここ に)

普通の日本人であるわたしにとっても、デパートは子どものころから、うきうきする場所でした。
だれかと一緒にデパートへ行くのも、
だれかのためにデパートへ行くのも、
心が躍るイベントです。

心が躍るのは、
待ち合わせ場所でだれかを待っているときも、
だれかが待っていてくれるときも、
同じですね。

デパートという場所の持つ祝祭的な雰囲気と、
人と待ち合わせをするときのはずむ気持ち、
それらがまざりあって、
この時計の下は特別な場所になっているのでしょう。
時代を超えて。

(2006.6.21 by mf)

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悲願達成(笑)

まさかこんな日が来るとは…(笑)

ユーロヴィジョン(Eurovision)
私は「欧州歌合戦」と勝手に呼んでいますが、欧州の国々が参加して開催される歌のコンテスト。各国から代表が選ばれて出場します。50年の歴史を持つ伝統あるイベント。フィンランド語ではユーロヴィジョンはEuroviisutです。

フィンランドがこれで優勝することなどありえないと、フィンランド人自身が言い続けてきました。事実、一度も優勝したことはありませんでした。いや、決勝進出すら、したことなかったんでしたっけ???

しかし昨日、歴史は塗り替えられました。
フィンランドのバンドLordiが、堂々の優勝。
ユーロヴィジョンのサイトを見ると、ちゃあんと「Congratulations, Finland!」と書いてあるよ!!!!

おめでとうスオミ。私は驚きの…もとい、感動のあまりものもいえないよ(笑

ええと、今年のフィンランド代表であるこの Lordi がいったいどーゆーバンドなのかは、私はわかりません…(汗
へ、ヘビメタ、になるの?なんかすごいんですけど…見かけが…。
追記:Lordiの映像が ここ に。すぐに音が出るので注意!

ところで、フィンランドで有名なジョークがあります。(ジョークはフィンランド語で vitsi ヴィッツィ)
「気温が・・・℃の時、フィンランド人はどんなふうにふるまうか、そのとき他国では何が起きているか」というジョークです。いろいろバリエーションがありますが、今までいくつか聞いたうち、